歯科業界の概況

歯科医療政策の動向と歯科医療産業の状況

2014年の歯科診療医療費(国内)は2兆7,900億円となりました。1961年の国民皆保険制度の発足以降、安定して増え続けてきた需要も、1983年に強力な医療費抑制策が打ち出されてから急速にブレーキがかかり、健康保険の本人2割負担(1997年)、3割負担(2003年)の保険医療費改正が実施され、患者の負担増とともに受診率の低下が進みました。2005年には改正薬事法が施行され、医療機器を製造し、販売する企業にとってはこれまで以上に高いレベルの品質管理・安全対策の充実が求められるようになりました。そして2006年の診療報酬改定は、過去最大の下げ幅となり、保健医療に大きな打撃を与えました。その後、歯科診療報酬は2010年に2.09%、2012年に1.7%のプラス改定となるなど、直近では明るい兆しが、見られるものの、長い目で見れば大きな財源を必要とする健康保険制度には、これからも医療費抑制とともに制度改革が行われるものと思われます。

歯科診療医療費と歯科器材メーカー出荷額の推移
(厚生労働省「平成24年度 国民医療費の概況」より)
このような状況の下、2014年の歯科器材メーカー出荷額(国内)は2,084億円となり、最近10年間は横ばいの状況が続いています。しかし海外に目を向けると、成長著しいBRICs諸国や新興国などの経済発展、生活レベルの向上により、世界の歯科市場は今後大きな成長が期待されます。また市場全体では成熟期にある国内においても、技術革新サイクルが早い化工品類など今後の成長が見込まれる分野もあります。


歯科疾病の変化

歯を失う原因

  (2005年(財)8020推進財団調査)

厚生省(当時)と日本歯科医師会の提唱により1989年にスタートした「8020(ハチ・マル・ニイ・マル)運動」の推進もあって、2006年には80歳における残存歯20本以上の割合が20%を超えました。一方、高齢者の残存歯が増えるにつれて、歯を失う最たる原因は「う蝕(虫歯)」から「歯周病」へと変わりつつあります。
虫歯からおこる全身の病気
近年、国民の健康に対する意識として、口腔の健康に満足している人は身体全般の健康に満足している人に比べて下回っているという調査結果があります。 また、口腔の健康が全身の健康に大きく影響していることも各種研究により明らかにされております。 このように多くの人々のニーズの変化を受け、歯科医療はこれまでの単に歯が痛むからそれを治すという治療から、できるだけ歯を失わないように予防し、そしてさらに美しい口元を維持、再現するという治療に変化していくことは確実です。

松風の強み

歯科医療をリードする研究開発力

高級陶歯の国産化をミッションに設立された松風の歴史は、研究開発の歴史に他なりません。1937年には現在も日本における人工歯のスタンダードになっている「松風バイオ形態」を、1940年には今日の床用レジンの基礎となる「松風バイオレジン」を開発し発売するなど、松風の製品群は今日まで数多くの「日本初」「世界初」を生み出しています。

エンデュラ アンテリオ(前歯)ライトフィルIIAハイライトNC ベラシア アンテリア(前歯)
ベンチャー精神と確かな技術力に裏打ちされたブランド力

高いレベルの研究開発力を背景に、松風は人工歯から研削材や化工品など歯科材料・機器全般へと事業領域を拡大していきました。人工歯同様、他の製品群でも数多くの「日本初」「世界初」を生み出し続け、「業界のパイオニア」「技術の松風」と歯科業界における評価を確固たるものにし、現在、多くの製品群で高い市場占有率を誇っています。

 商品分類別マーケットシェア(国内)
 商品分類別マーケットシェア(国内)








※厚生労働省薬事工業生産動態統計
 (メーカー出荷額)に基づく(2014年暦年)
「全分類合計」は、「金銀パラジウム合金」「歯科診療室用機械装置」を含むシェア。
「全分類合計Ⅱ」は「金銀パラジウム合金」「歯科診療室用機械装置」を除くシェア。
海外市場への積極展開

1971年アメリカ「SHOFU Dental Corporation」の設立を皮切りに、以降、ドイツ、イギリス、シンガポール、中国に販売、生産、開発拠点を開設し、世界市場をターゲットとした製品開発と戦略的な製品投入に努め、新たな市場の創造に積極的に取り組んでいます。

 松風グループの拠点展開と世界の歯科医師数
松風グループの拠点展開と世界の歯科医師数
現在、デンタル事業の海外売上高比率は41.3%(平成29年3月期実績)と、デンタル事業全体の売上高の約4割を占めています。中期的には50%以上に引き上げることが目標です。


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