マルチイオンのリリース&リチャージによる大きな特長として下記3点が報告されています。
口腔ケア及び歯科治療に用いる歯科関連材料に応用可能な3層構造のバイオアクティブガラスフィラーです。
松風が独自に開発したPRG(Pre-Reacted Glass-ionomer)技術により、安定したグラスアイオノマー相を多機能ガラス表層に形成させることに成功しました。これにより材料の物性を変化させることなく、6種類のミネラルイオンの徐放(リリース)と取り込み(リチャージ)が可能になりました。
口腔内のイオン濃度勾配によってマルチイオンのリリースとリチャージ が可逆的に起こります。
Giomer製品はセルフケアやプロフェッショナルケアに次ぐ、第3の観点である「マテリアルケア」として口腔内環境の健全化をサポートします。
S-PRGフィラーの働きにより、周囲環境を中性領域に移行させます。
PRGバリアコートの硬化体(S-PRGフィラー配合)を乳酸水溶液(pH=4.0)に浸漬したときのpHの変化
(自社独自試験)
【試験方法】pH指示液を滴下した乳酸水溶液(10㎖)に、S-PRGフィラー0.1ɡを添加したときのpHの変化を示しています。(自社独自試験)
口腔衛生学会にて下記内容が報告されています。
PRGバリアコートがエナメル質の初期脱灰過程に及ぼす影響をQLF法※により観察
※QLF法:「初期う蝕画像診断システム」で、外観ではわかりにくい「初期う蝕」を画像として定量的、かつ短時間で診断するシステムです。
暗緑色に変化している部分が脱灰を受けている部分です。
S-PRGフィラー配合のPRG バリアコートを塗布した試験体では、コーティングした直下のエナメル質だけでなく、コーティングした周囲の露出エナメル質においても脱灰の像は認められず、PRGバリアコートの塗布により、エナメル質の脱灰が抑制されると報告されています。
(参考:大阪歯科大学 口腔衛生学講座/International Journal of Dentistry,volume2014,Article ID 463149,7pages.)
日本歯科保存学会にて下記内容が報告されています。
口腔内におけるプラーク形成状況の観察(24時間ブラッシングなし)
(参考:朝日大学 歯学部歯科保存学分野/第117〜123 回日本歯科保存学会報告)
S-PRGフィラー配合コンポジットレジン(ビューティフィルⅡ等)の表面はだ液と接触することによって、マテリアルフィルム層ができ、これがコンポジットレジン表面への細菌の付着および増殖を抑制し、成熟したプラークを形成しにくくすると報告されています。また、この層はブラッシング等により脱離するものの、再度だ液との接触によって再形成され、持続的にプラーク形成を抑制するといわれています。
〈写臭提供〉 貞光 謙一郎 先生(貞光歯科医院)