MiCD SMILE CIRCLE MEMBER
Interview

貴医院について教えてください。
大学を卒業して3年近く、兵庫県尼崎市の歯科医院で勤務医としてお世話になっていましたが、長男の誕生を機に祖父の代から続く医院を継ぐために父の診療所へ戻ることになりました。院長に就任して今年で15年が経ちます。来たる2020年には創業100年を迎える予定です。
現在の診療所へは2年前に移転しました。以前の場所は、祖父の代から開業してきた場所ということもあり、患者さんは古くからお付き合いさせていただいている方が多いせいか、比較的義歯の治療の割合が多かったように思います。現在移転してきた場所は、最寄りの駅や商店街に近くなったこと、マンションが新築されつつあることなどで、比較的若い世代の方に患者層がシフトしましたね。比率は、主婦・子ども5〜6割、高齢者3割、働く世代の方が1〜2割といったところでしょうか。多様な世代のニーズに対応できるように、現在は、歯科衛生士3名、歯科助手2名の体制で協力して取り組んでいます。高橋登先生のMiCDハンズオンコースにご参加された後、ダイレクトボンディングには取り組んでおられますか。
以前からダイレクトボンディングを診療に取り入れていましたが、ほとんど我流で行なっていました。MiCDハンズオンコースで、テクニックはもちろん、使用するコンポジットレジンの使い分け、順番、色調の再現方法、裂溝の表現方法など、正しく学べたことは私にとって良い機会でしたね。高橋先生のように上手くはできませんが、ハンズオンセミナーに参加してスキルアップできたように思っています。まだ保険適用の範囲で行なっていますが、近い将来は自費診療としてしっかり確立したいと思っています。
コンポジットレジンは松風社のビューティフィル フローとビューティフィル フロー プラス、他社のフロアブルレジンを使用しています。ビューティフィル フローについては、具体的に言葉で表すのは難しいですが、ペーストの伸びる感覚や思い通りに築盛や付形がしやすいところが気に入っています。感覚的ですが親しみやすい感触がありますね。
そうそう、恥ずかしながらMiCDルーペは、ハンズオンセミナーに参加してからまじめに装着するようになったんですよ(笑)。購入してから半年は、ほとんど装着しませんでした。視力が悪いので、フリップアップタイプに度数を合わせたレンズをメガネ屋さんでつけてもらったのに・・・。高橋先生の手技から学んだことを実践するには、きちんと細部までルーペで確認が必要だと痛感し、習慣的に装着するようになりました。今では、クラウン・ブリッジの形成からMI治療における小さな窩洞形成に至るまで、診療のほとんどで装着しています。
MiCD SMILE CIRCLEの記念品をご活用いただいているようですね。
診療室に掲示していただいている
MiCDコンセプトのポスター。
ポスターは待合室に、修了証書は診療室に飾っています。先日いただいた「あなたの歯を一番に考えた治療のはなし」の5ページ目にある金属とコンポジットレジン充填の見た目の違いは、患者さんに説明するときに役立てています。CD-Rでデータ版もいただいたので、診療室ではディスプレイに映して活用していますよ。
他にもさまざまな説明ツールを掲示したり、位相差顕微鏡を使用して歯周病の細菌を映像でお見せしたりして、患者さんに「予防の大切さ」を理解していただけるよう、診療やカウンセリングでお話しています。子どもに一番インパクトがあるのは、お菓子に砂糖がどのくらい含まれているかを示したポスターですね。
最近の傾向として、お母様方が歯の健康に対して熱心なあまり、「むし歯ができた」という結果に対して少し過敏になり過ぎている印象を受けます。それよりも「なぜむし歯ができたのか」という原因を、もっと考えられるようになっていただきたいですね。「歯医者さんに行って、削って、埋めて、終わり」ではなく、同じことを繰り返さないように患者さん自身に「どうしたらむし歯にならないか」ということに気付いていただくことが大切です。抜歯したり、歯牙のほとんどの部分を失うなど、取り返しのつかない状態を経験しないと、なかなか予防の大切さを理解していただけないのが現実ではありますが、根気強く、患者さんの歯を守るために伝え続けて行きたいと思っています。最近はインターネットが普及し、必要な情報をいつでも手に入れられる時代になりましたが、患者さん一人ひとりに合ったアドバイスができるのは、私たち歯科医師なのです。私たちが、患者さんに歯の大切さと予防の大切さを伝え続けていかなければならないと思うのです。
コンポジットレジン充填の説明に活躍している「あなたの歯を一番に考えた治療の話」の5ページ目。
MiCD SMILE CIRCLEメンバーに無料で差し上げています。※配布終了
診療室に貼られた説明用ポスター。右上の「お菓子に含まれている砂糖」は、歯の大切さを子どもに話すときに効果があるとのこと。