1 衛生的手洗い
器具の消毒・滅菌を完璧に行っていても、治療中に手が不潔であったり不衛生な操作をしたりしては、全く意味がありません。
感染予防対策の基本は、まず手洗いから!今一度、見直してみましょう。
衛生的手洗いを行う場面
- 一般歯科治療前後(手袋着用前と外した後)
- 観血的処置(口腔外科、歯周外科、根管治療など)の無菌操作を行う前後
- 患者の血液や体液で汚染された器具・器械を取り扱った後
- 周囲の環境への接触、落ちた物を拾った後など
- 衛生的手洗いは、先に液体石けんと流水で汚れを十分に落としてから実施すること!(手に汚れ[有機物]が付着した状態で消毒剤を使用しても、効果が低い)
ハンドソープと流水による手洗い。指先から手首までまんべんなく擦り合わせて丁寧に洗い流す(約1分)
2 擦式消毒法
擦式消毒法を行う場面
- 手袋装着前の手指消毒(衛生的手洗い)の最終仕上げ
- 目に見える汚れがないとき
※液体石けんだけの手洗いでは落としきれずに残った微生物も、アルコール消毒液により除去できる
※手が十分に乾燥している状態で行うこと
- 擦式消毒法は洗浄効果がないため、先に液体石けんと流水で汚れを落としてから実施すること!(手に汚れ[有機物]が付着した状態で消毒剤を使用しても、効果が低い)
速乾性擦式手指消毒剤による手指消毒法(約30秒)
②~⑧のステップは各々5回ほど擦り合わせ動作をする。⑧の後、手指が完全に乾燥するまでこする
3 滅菌手袋の着用の仕方、汚染手袋の外し方
手袋は、目視のできる湿性の血液・体液・排泄物などに触れる場合、あるいはそれらが飛散する可能性がある場合に正しく着用しましょう。
滅菌手袋の着用法
滅菌手袋の外し方
※手袋表面がすべて内側に入るように、素手で表面を触らないように外す
4 日常診療時のスタイル
歯科診療では、「血液や唾液の混じったエアロゾルが飛散する」ことを常に考え、正しく着用しましょう。
5 診療前に―患者さまの口腔内の消毒
【日常】
日常の診療時にも処置前にリステリンなどのマウスウォッシュで洗口することは、エアロゾル(血液や細菌などの感染源から構成される浮遊物質)の発生を抑えることにつながります。
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【手術時】
抜歯などの手術に先立ち、事前にスケーリングなどの処置ならびにう蝕の治療を済ませる。
手術前日には入浴してもらい、男性患者には髭を剃ってもらうよう伝える。
手術直前に歯面清掃を行い、含嗽剤によるぶくぶくうがいで洗口してもらう。