ハイライト Q&A

■ 術前に関するお問い合わせ
Q1. ハイライトの適応症例を教えてください。

A1.
基本的には加齢による変色歯/黄色、橙色、淡褐色などの変色歯、軽度のテトラサイクリン変色歯/Feinmanの分類で、F1・F2、および軽度のフッ素症変色歯などが適応症となりますが、個人差によって漂白効果が出ないケースがあります。

Q2. ホワイトニングを患者さんに勧める場合のポイントは?

A2.
歯の色を主訴に来院される方には、「ご自身の歯の色についてどうお思いですか?」と困っておられることをお聞きします。多くの方は、色の不調和に気づいておられません。例えば、治療に来られた方の歯冠修復の色が隣在歯の変色、着色等 により白く浮いて見えるような場合に「気になりませんか?」と問いかけた上、「歯冠修復をやり直さずに、ご自分の歯の漂白で改善できる方法があります」と案内されるのも良いのではないでしょうか。

Q3. 無カタラーゼ症の確認方法はどうすれば良いのでしょうか?

A3.
カタラーゼは過酸化水素水を分解する働きがある酵素です。無カタラーゼ症は、先天的な要因でケガをしたとき患部にオキシドールを塗っても泡が立ちません。患者さんは自覚されていると思いますので必ず問診の時に聞いてください。疑わしいときは患者さんの血液を採取し、過酸化水素水を滴下し、確認してください。

Q4. 処置前に知覚過敏の有無を確かめる時どういった点に注意すれば良いでしょうか?

A4.
隣接面歯頰部付近の知覚過敏は見落としがちですので注意が必要です。軽く、 スリーウェイシリンジのエアーや冷水を使って温度診を行なったり、探針による触診を行うと良いでしょう。また、マイクロクラックの為にハイライト使用時に疼痛が発現することもあるので、処置前にデンタルスコープ等による歯牙の精査が必要です。

Q5. 術前の歯面清掃について教えてください。

A5.
歯面清掃後にペーストが歯面に残ってしまうと漂白の効果が低下してしまう恐れがあります。そこで、漂白前の歯面清掃には水洗しやすい歯面研磨材のプレサージュをお勧めします。 ただし、清掃後には歯面にペーストが残らないように十分水洗してください。

Q6. コンポジットレジンで修復された歯に漂白の影響は無いでしょうか?

A6.
コンポジットレジンは漂白されませんので漂白後の歯面とコンポジットレジンの色が合わなくなる場合があります。 その場合、漂白直後の歯面は接着性が低くなる可能性があるため、漂白後2~6週間空けて再石灰化が進んだ後、カラーマッチングしたシェードのコンポジットレジン 〈ビューティフィルシリーズ〉で再充填してください。


Q7. 術中に知覚過敏が起こった場合の処置について教えてください。

A7.
軽度の場合、2~3日間使用を中断してください。 また、ホワイトニング期間中はご家庭で知覚過敏を予防するメルサージュ ヒスケアを使用していただくことをお勧めします。 重度の場合は原因歯の治療が必要となります。


Q8. 歯肉が白変した場合の処置について教えてください。

A8.
水洗を5分~10分施し、ビタミンE含有軟膏を塗布することが良いと云われています。なお、炎症や二次感染の防止として、テトラサイクリンCMCペースト(昭和薬品化工)やテラ・コートリル軟膏(ファイザー)の塗布が良いと思われます。


Q9. ペーストが手に付着した場合どの位の時間、痛みが続きますか?

A9.
手に付着した場合、疼痛を伴い皮膚は白くなりますが、よく水洗することにより2時間程度で痛みが無くなります。


■ ハイライトに関するお問い合わせ
Q1. 粉の成分について教えてください。

A1.
ペーストにする増粘材、光・化学反応を助ける触媒、及び過酸化水素の酸化反応状態を示すカラーチェンジ指示薬が入っています。練和すると青緑色になり酸化反応の終了時には白色に変化し漂白が終了したことを確認することができます。 この粉の働きが他社には無い、松風ハイライトの特長となっています。

Q2. 粉の光(直射日光・室内光)に対する反応と保管方法を教えてください。

A2.
直射日光では分解の可能性がありますが、通常の室内光ではほとんど分解はしません。劣化は光よりも温度や湿度の方が問題となりますので、液は冷蔵庫、粉は冷暗所に保管してください。

Q3. 粉と液の寿命はどれくらいですか?

A3.
どちらも製造から2年間です。ただし、開封後は、粉液ともに半年を設定しています。なお、粉は劣化すると褐色化します。寿命を見分ける目安は、液と粉を練った時、青緑色になれば使用可能です。

Q4. 歯の表面を痛めないでしょうか?

A4.
1日3回の処置であれば歯面をほとんど痛めませんが、再石灰化が早く進むように漂白後はフッ素配合のメルサージュプラスでの歯面研磨や、ご家庭ではメルサージュ クリアジェルやメルサージュ ヒスケアのご使用をお勧めします。

Q5. ホワイトニングを行う際、どの程度ずつ白くなりますか?

A5.
個人差があります。一日目で十分漂白効果の認められるケースもありますが、一般的に2~3度目の来院ぐらいから効果が現れます。

Q6. 過酸化水素水の濃度はどれくらいですか?

A6.
35%です。過酸化水素水は、すぐに分解しますが、ハイライト液は反応抑制剤を添加して分解を遅延させています。過酸化水素水の用途として3%では消毒剤(オキシドール)として使われています。

Q7. ハイライトの粉液比を変えると何か影響はあるでしょうか?

A7.
粉と液の比率を多少変えても漂白の効果は変わりません。操作感の良いように多少は比率を変動させても効果に影響がありません。

Q8. ハイライトの塗布後、必ず5分間の放置は必要ですか?

A8.
ハイライトの塗布後、5分間放置することでエナメル質表層に浸透し、活性酸素が発生することにより、エナメル質表層の着色有機成分を分解します。ハイライトの塗布後すぐ光照射されますと、浸透するまでにペーストが酸化促進される可能性があります。ハイライトの性能を十分に発揮するためにも5分間の放置時間を守ってください。

Q9. レーザーやパワーライトを使用しハイライトで漂白できますか?

A9.
松風ハイライトは従来からの歯科用可視光線照射器、松風グリップライトⅡでの治験データにより、厚生労働省の承認を得ております。レーザーによる漂白については臨床試験を行なっていないため、松風ではお答えできるデータを持ち合わせておりません。

Q10. 漂白剤の温度を10度上げると漂白時間は半分になるという発表があるが、 どの位まで温度を上げて良いのでしょうか?

A10.
一般的に45℃以上になると、歯髄に影響するとされています。よって歯面はそれ以下の温度に保つようにしてください。

Q11. ハイライトの使用説明書で使われている、グリーンのラバーダムシートは どこのメーカーの物ですか?

A11.
ハイジニック(HCM-Hygenic Corporation)社製の商品 (デンタルダム)でラテックスゴムでできています。色はグリーン、ベージュ、ブラウン、ブルーがあり、厚みはミディアム・ライトを選択し、使用しています。より厚いものはヘビータイプと呼んでいます。

Q12. 使用説明書でラバーダムの下に使用されている白い布は何ですか?

A12.
ジョンソン&ジョンソン社製のデンタルタオルを10×15cm程度の大きさに切り、口の部分をくりぬいたもので、自家製のラバーダムナプキンと呼んでいます。口の周囲の皮膚が唾液等で汚れないので、不快感が少なくてすみます。

Q13. 1日何回まで漂白できますか?

A13.
1日3回が限度です。効果はあってもそれ以上行わないでください。

Q14. 漂白のインターバルは1週間と記載されていますが2~3日で使用しても問題ないでしょうか?

A14.
知覚過敏発症等を避けるためにも約1週間の間隔をあけるようお願いします。

Q15. ハイライトは無髄歯にも使用できますか?

A15.
使用できます。髄腔内からの漂白処置により効果的な漂白が期待できます。詳しい使用方法につきましては、ハイライトの取り扱い説明書に記載しております。ただし漂白剤を約1週間封じ込めて行う処置方法、いわゆるウォーキングブリーチは、髄腔内にガス圧がかかり歯質を損傷する恐れがありますので行わないでください。

Q16. 使用説明書のハイライト漂白処置計画の中で「一度の来院で3回までの処置行い、 再処置は一週間間隔で最大6度」とありますが、なぜですか?

A16.
それ以上、漂白処置を繰り返しても、大きな改善は認められないと考えられるため、一つの目安としてこの回数を設定しました。なお歯質保護も目的としております。

Q17. ハイライトセットを使用したが、最終的にかなりの液が余る。 単品販売は、しないのでしょうか?  

A17.
ハイライトの液は残量が少なくなると分解が進行し、徐々に効力が低下していきます。特に液量が1/3程度になると極端に効力が低下します。そのためハイライトのセットでは粉に対して液を多めに準備しています。常に確実な漂白効果を発揮させていただくためにも、粉の量が半分程度になりましたら、新しい液(2本目)をご使用ください。ハイライトは劣化によるトラブルを避けるため、粉・液の単品販売は、いたしておりません。


■ その他の漂白に関するお問い合わせ
Q1. 無髄歯漂白の術式の中で裏層の際、使用するセメントにはカルボキシレートセメントまたは レジンセメントを指定していますが、その理由について教えてください。

A1.
歯質への密着性が良く、漂白剤との反応性が低いからです。

Q2. ウォーキングブリーチとは何か教えてください。

A3.
従来から行われている無髄歯の漂白方法で過硼酸ナトリウムと30%過酸化水素水の混合物を髄室内に一週間程度充填し、仮封して漂白する方法です。 松風ハイライトではウォーキングブリーチを、行わないで下さい。医院ですべての処置を終了するようにし、充填・仮封したまま帰宅させないでください。

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